〇 不退~辞めることが出来ない境地に達すること。     

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皆さんは、『東大寺二月堂のお水取り』という行事をご存知でしょうか。
(天平勝宝4年)西暦752年から、(令和3年)2021年に至る1270年間、一回も途切れることなく続いてきた修二会という仏教行事だそうです。
 私は、ヒプノセラピストの仕事をしていますが、11/27~28、奈良で開催された日本催眠学会に参加してきました。本来は、昨年の同時期に開催される予定でしたが、新型コロナウィルスの感染の影響で、今年に延期になった行事でした。
 本会議前日のワークショップは、大会長の計らいで、本来は僧侶の修行のみに使われる「東大寺二月堂北参籠所(きたさんろうしょ)」というところで、華厳宗教学部長の「上司 永照(かみつかさ えいしょう)師」のご講話を拝聴することとなりました。

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正直、私はこれまで、宗教にさほど興味がなく、仏教行事と言われても詳しくありませんでしたが、1270年も続いてきたこの行事を、新型コロナウィルス感染拡大という理由で途切れさせることが出来ない重責と覚悟を背負って、選ばれし11人の僧侶や関係者が大変にご苦労されたお話を伺って、心が熱くなりました。11人の僧侶一人でも、感染すれば実施できないわけです。

「一口に1270年と言っても、戦争、政変、疫病、天変地異などの困難は数知れなかったはず。
しかし、人々の罪を代わって悔い改め、国家安寧と人々の健康・幸福を祈り続けるという強い信念のもと、一年とも絶えずこの行事を守り続けて来た過去の修行僧達とそれを支えてきた東大寺の方々や檀家さんたちのいう『不退』という言葉が強烈に私の心に残りました。『不退~辞めることが出来ない境地に達すること、その責任と覚悟を担った人々とそこに託された大きな意味』を始めて気づかされることとなりました。

何事も長続きがせず、すぐに諦めてしまい、「できない、自分てダメね!!」なんて、やわなことを言っていた過去の自分を思うと、恥ずかしく、心を改めざるを得ないと感じました。勿論、自分の人生に1270年はないものの、魂は生き続けていくことを前提にして言うならば、例え、1日、2日途切れることがあったとしても、この人生でこれは続けて行こうと頑張りぬく『何か』が一つあっても良いなあと思うのです。それは、『生きがい』というものかもしれません。

人に知られることがある、なしに拘わらず、信念を持って、続けていけるもの。
それこそが生きがいなのかもしれませんね。
みなさんは、そういうものをお持ちでしょうか。
私は持ちたいと思います。出来れば人にきちんと伝えて~。
学会での学びは多くありましたが、このお話が皆様のお役に立てれば幸いです。
(三喜 一知花)

参考資料:<お水取り>
人々が知らず知らずのうちに犯してきた罪を、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる11人の僧が人々に代わって悔い改め、世界平和などを祈ります。期間は、2月20~28日の前行(ぜんぎょう)、3月1~14日の本行(ほんぎょう)を合わせて約3週間です。今年、令和3年も実施され、1271年につなぐことが出来たそうです。

動画は、お水取りの行事についてのNHKスペシャルです。(聞くより観る方が印象に残ると思います)

[NHKスペシャル] お水取り・東大寺修二会 世界にここしかない“水と炎の儀式” 疫病退散 千三百年の祈り | NHK
「NHKスペシャル」公式HPはこちら 「お水取り」として知られる、東大寺修二会は、1270年間、日本で最も長く、絶えることなく続いてきた仏教儀式だ。奈良時代から変わらない、闇と光が織りなす神秘的な世界とは!?NHKスペシャル...

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